先生の背中。
つめつめに並んでいる自転車の間に自分の自転車を入れようとする。
あっ!やばい!
心の中でそう叫んだけど、すでに自転車はガタガタと音を立てドミノ倒しのように倒れていった。
「やっちゃった…」
「あ~ぁ。何やってんだよ…」
後ろに立っていたのは先生だった。
「だって……いそいでたんだもん。」
「俺やっとくから、お前もう授業行っていいよ」
「やだ…。手伝う」
「じゃあ、あっちからおこしていって?」
言われた通り自転車をおこしていく。
会話がない…。
話したいけど何を話したらいいんだろう…?
先生大人だし何を話したらいいんだろう…?
9才もの年の差は、私を少し苦しめる。