先生の背中。
「先生…ごめんね?」
「そんな気にすんなよ!お前けっこうドジなとこあるんだな!」
からかうように私を見てそう言った。
自転車を全部おこしてから先生は私に、
「最近何か悩みとかあるか?
」と言った。
「何で?」
「たまに無理して笑ってるから…。」
先生は、私の頭に手を置いて優しくポンポンってした。
「好きな人ができたんだけどね…、気持ち伝えられないんだ…。」
「何でだ?思いきってぶつかれよ、そいつのこと好きなんだろ?」
「好きって言いたいけど言えない。言っちゃいけない相手だから…。その人を困らせたくないんだ…」
うつむいたまま顔を上げられない。
このくらいじゃバレるわけないよね…?