先生の背中。
いつのまにか私は先生を目で追うようになっていた。
体育の授業の時の先生。
保険の授業の時の先生。
教室の横を通り過ぎる先生。
私はいつも先生を見ていた。
ある日の放課後。
教室に残って、今日までに提出しなきゃいけない課題を1人でやっていた。
「ん?長沢何してんの?」
廊下を歩いている先生が、教室の外から私に声をかけた。
「今日までにやらなきゃいけない課題。数学なんだけどなかなか終わんないんだ~」
ドキドキしながらも普通に話した。
「俺が手伝ってやろうか?」
「えっ、いいの?」
「俺、今日何もやることねぇし手伝ってやるよ!」