先生の背中。


「先生?私もう伝えてもいいかな?迷惑かけちゃうけど伝えてもいいかな?」




「俺はいいと思う。ちゃんと伝えろ?」



先生は腕を離し優しく微笑みながら私にそう言った。


私はまっすぐに先生を見た。
私は先生を困らせてしまうだろう。
でも好きだから伝えたい。今伝えたい。














「先生…好き…。」








一瞬驚いたような顔をした先生。
その後数秒の沈黙が続いた。
ほんの数秒が長く感じて息苦しい。

そして先生は私の肩をつかんでゆっくり話し出した。


「長沢?俺は教師だ…。そしてお前は生徒だ。俺達教師は生徒と恋人というかたちになっちゃいけないんだ。だからごめんな?けどお前の気持ちはすごくうれしいから。それとお前は俺の中では特別な生徒だから。」



特別な生徒…。
先生はその部分を強調して言った。
私はフラれた……。
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