先生の背中。





私は教官室を出て校門まで走った。
涙が溢れそうになるのを我慢して走った。





人生で初めての告白。



本当は言うつもりはなかった。
私は一生だまっておこう…
先生を困らせないように…
そう決めたはずなのに、先生に抱きしめられてなんだか好きっていう気持ちがふくれあがってきて…





気付いたときには「好き。」と口にしてしまっていた。




もう先生は前のようには私と話すことはないだろう。


意地悪をしてきたり、頭をぽんってしてくれたり…。






私はそれが凄く怖いよ。



先生が先生じゃなかったら…
先生が私と同じ高校生だったら…
あんな断れかたされずにすんだのに。



お前は生徒だから。

そうだよね。
私はただの生徒…。



< 36 / 45 >

この作品をシェア

pagetop