薔薇姫《短編》
「あなたは、どなた?侍女のテーゼは?お母様達は?」



ベッドから身を起こした姫君は、傍らの見知らぬ男に問いかけました。


誕生日の朝、舞踏会の支度をして迎えを待っている間、いつの間にか寝てしまって...

姫の記憶はそこでとぎれていたのです。



男が黒いマントを脱ぐと、中から美しい青年が現れました。


青年は床にひざまずくと、姫君の手をとりくちづけます。
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