薔薇姫《短編》
「私は、魔術師オーレン。
姫は長い眠りについておられたのです。」
「長い眠り?いったい私はどうなったのですか?城の者達は?」
「姫は、ある呪いを受けておいででした。
あなたは眠りについた時に時間が止まったのです。
そして今、呪いが解けあなたは目覚めました。
ですが残念ながらあなたの眠りは、人の身には長すぎました。」
魔術師は、呪いを自分がかけたことは口にせず、
淡々と姫に言い聞かせました。
姫はベッドから降り、寝室を出て、城の中を彷徨いました。
目覚めた時は気が動転し気付かなかったのですが、城の中は長い年月を経て、埃をかぶり、朽ち、茨達の戦いですっかり荒れ果てていました。
そして、あれだけ臣下や兵士達の溢れていたにぎやかだった城内は、人の気配はまるでなく、風の音がするだけで静まり返っています。
みると、石にされた人達が、茨達によって打ち壊され、そのままの姿であたりに転がっています。
記憶にある面影をいくつか見つけ、姫は愕然としました。
姫は長い眠りについておられたのです。」
「長い眠り?いったい私はどうなったのですか?城の者達は?」
「姫は、ある呪いを受けておいででした。
あなたは眠りについた時に時間が止まったのです。
そして今、呪いが解けあなたは目覚めました。
ですが残念ながらあなたの眠りは、人の身には長すぎました。」
魔術師は、呪いを自分がかけたことは口にせず、
淡々と姫に言い聞かせました。
姫はベッドから降り、寝室を出て、城の中を彷徨いました。
目覚めた時は気が動転し気付かなかったのですが、城の中は長い年月を経て、埃をかぶり、朽ち、茨達の戦いですっかり荒れ果てていました。
そして、あれだけ臣下や兵士達の溢れていたにぎやかだった城内は、人の気配はまるでなく、風の音がするだけで静まり返っています。
みると、石にされた人達が、茨達によって打ち壊され、そのままの姿であたりに転がっています。
記憶にある面影をいくつか見つけ、姫は愕然としました。