偽りの愛言葉
「返信出来なくて…すいませんでした。」

「あぁ、いいよ。気にしないで。」


しつこい俺も悪いだろうし。


「少しだけ精神的に参っちゃって。」

「まぁーそうだろうな…元彼っしょ?」


気まずそうに君は、コクっと頷いた。


「そんなに好き?」

「分かんない…」


そう言うってことは、まだ好きな証拠だろ…。


部屋には、二人の写真立てだって飾ってある。


「もう別れなよ。」

「…でも……」

「悲しい顔見たくないんだよ…」


他人の俺が無責任に“別れろ”なんて言えないけどさ、苦しむ梓ちゃんの姿だけは見たくないんだ。



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