偽りの愛言葉
笑った顔が時々すごく辛そうに見える…。


傷つける男なんかに幸せにしてあげられる資格ねぇよ。


プルルルル…


「あ、悪い。俺の電話。」


ポケットに入れていた携帯が突然震えた。


「ベランダ使ってください。私が聞いてたら話しづらいでしょ?」

「サンキュ!」


なんて気が利くんだ…梓ちゃんって。


俺は窓を開け、ベランダーに出た。


吹かれる風が冷たくて心地いいや。


さーて、出ますか。


「はい。」

「おぃ!今どこに居るんだよ!!」

「は?言ったじゃん。梓ちゃんの家に行くって。」


聞いてなかったのかよ。


少しの間、仕事出れないって。


つーか、なに怒ってんだよ…。




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