偽りの愛言葉

梓side


あれから、風神さんが帰った後。


もう独りは慣れてるはずなのに、なんだか急に寂しくなって苦しくて…。


このまま、耐えきれそうに無かった。


珍しいんだ。


隼也以外の人に“寂しい”なんて、感情を抱くなんて。


人前であんなに声を上げて、泣いたことだって初めてなの。


引き寄せるように抱きしめられて…


温かくて不覚にも安心した。


この気持ちが何なのか、多分…


知っちゃったかもしれない。



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