偽りの愛言葉
「梓ちゃんだったんだ?全然気づかなかったよ。」

「マスクとメガネを身につけてたので…あはは…」


バレないようにって、どうしてか分からないけど。


風神さんに気づかれるのが、恥ずかしかったのかも。


ここに来ることが。


まるで、風神さんを追いかけて逢いに来たみたいでしょ…?


気持ちが考えてることが、伝わってしまうのが怖かった。


「すいません…早く拭かなきゃっ。」

「あぁ、いいって。気にすんな。」

「これ、使ってください!」


鞄に入れていたピンクのハンカチを差し出す。


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