偽りの愛言葉
珀side



俺が終わるまで、待っててくれた梓ちゃんの手を引いて家に連れてきた。


やっと、ふたりっきりになれた…。


「…疲れてないですか?」

「全然。」


さっきまで仕事だった俺のことを考えて、きっと気遣ってくれてるんだろう。


優しいな…本当に。


「むしろ癒して欲しいな。」

「あっ!何か作りましょうか?」

「バカ。梓ちゃんに。」


相変わらず天然だよなー。


こうして、ツッコミ入れるの楽しいけど。


「えっ、私…?!何をすれば…」


戸惑ったように首を傾げる仕草が、俺を無性に苦しませる。


あー、可愛い可愛い!!


めちゃくちゃ抱きしめたい!


でも我慢我慢…。



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