偽りの愛言葉
これで話すのは逢うのは。


もう二度とねぇんだろうな。


「ちょっとは解決出来たかな?」

「はい…少しは別れた理由が楽になれた気がします。」

「良かった。」


良かったはずなのに。


何でだろう。


「そろそろ帰ります。お会計…」


この霧にかかったようなモヤモヤは、、、。


気がつけば、俺は君の手を掴んでいた。


理由も知らずに。


「あの…?」

「え、あ、あっ、ごめん?」


何なんだ。


いつもだったら、笑顔で見送りしてんのに。


どうして手を掴んででも、引きとめようとするんだ。


らしくないじゃないか…。


ほら、彼女も困ってる。


早く手を離さないと。



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