偽りの愛言葉
__ガチャ。


「あ、おはようございます。起こしちゃいました?」

「おはよ…いや、いつも通りの朝だから平気。」


そんなのは嘘。


少しでも格好をつけていたいのが男心というものだ。


「もうすぐで朝食出来るので待っててくださいね。」

「あぁ…」


やっぱり、キッチンで料理をしていた梓ちゃん。


匂いで分かった。


髪一つにまとめて可愛いなぁ。


なんか奥さん…みたい。


早く起きて作ってたのか?


俺なんかの為に?


いや、単純に料理が好きだからだよな。


まさか俺を思って作るはずない。


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