偽りの愛言葉
朝食も食べ終わったし、もう帰んのかな。


……梓ちゃん。


分かってる。


ただ泊めてあげただけなことくらい。


そんなのは分かってるけど、どんどん欲が強くなっていくんだ…。


手で触れられそうな距離だっていうのに。


遠すぎじゃね…?


「あ、そうだ。今日も来るだろ?」

「え?えっと…今日はちょっと…」

「なんで?まさか元彼と逢うんじゃねぇよな?」


一瞬だけ、身体をビクッとさせた。


ってことは…そうかよ。


本当、嘘つくの下手くそ…。


そんなとこも愛おしく思ってしまうけど。



< 75 / 160 >

この作品をシェア

pagetop