偽りの愛言葉
「普通!可笑しいでしょ…何で知らない奴がアイス喰ってるわけ!」


喋るとともにテーブルをバンと叩いた。


ついにキレたらしい。


「隼也!落ち着いて…ごめんね…っ。私が連れてきたせいだから…」


怒鳴った声が聞こえてか、走ってきた梓ちゃん。


今の君は、辛そう。


こんな男なんかに謝んなくたっていいんだよ。


君をすぐ泣かせるだろ。


「また違う日に逢おう…あと電話するから。」

「…うん……」


帰ろうと席を立ち始める元彼。


ダメだ、帰らせない。


「あの、ちょっといいっすか?」

「…なんだよ。」


言わないと俺の気が済まないから。


ごめんね、梓ちゃん。


迷惑かける俺を許して。



< 85 / 160 >

この作品をシェア

pagetop