偽りの愛言葉
俺たちもファミレスから出て、街を適当に歩いた。


さっきから隣で梓ちゃんは浮かない表情してる。


やっぱマズかったかな。


元彼と強制的に話をさせなかったこと。


ここは素直に謝ろう。


「さっきはごめんな。俺が邪魔して悪かった。」


結局は俺が強制にしてた。


君の気持ち考えないで。


でも、こんなの絶対許されることじゃねぇ…。


「どうして謝るんですか?風神さん悪いことしてないじゃないですか。」


きょとんと首を傾げていた。


キュン…。


じゃない、何がキュンだ!


しっかりしろ…俺。


「え?だって、さっきから浮かない顔してるし…」

「あー…それは私自身に落ち込んじゃって。」

「は?」

「ウジウジしてる自分が情けないなって。」


あぁ、苦笑いも可愛いなんて。


罪すぎだ。



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