駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて
次々ととは、酷い。
ムッとなり、思わず彼を睨んで言い返した。
「そうね、あなたはないわ」
あなた以外、恋なんてしていないのに、酷い。
こんなに好きなのに…
どうして、そんな酷い事を言うの?
愛を信じないくせに、俺じゃダメなのかなんて言うの?
私だけは他の子達と違うと思っていたのに、あなたにとって同じだったの?
そんなの嫌よ。
あなたの1番じゃないと嫌…
これが、私の本心なんだ!
新しい恋をしようとあんなに涙を流し決心したのに、簡単に決意は壊れてしまった。
でも、素直に好きだと言っても愛を信じない男に、この気持ちは届かない。
それに、『あなたはないわ』と言った手間、今更好きなんて言っても、信じてもらえないだろう。
あなたじゃなきゃダメなのに…
あなた以外、他の人なんて誰でも同じ。
仕草や声にときめくのはあなただけ…
里依紗と呼ばれて、心浮き立つのもあなただけ…
不機嫌でも、無条件で許してしまえるのもあなただけ…
視線を交わしながら、心は叫んでいた。
「どの女も優良物件な俺と付き合いたがるのに、俺を振る女はお前だけだろうなぁ」