駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて
自社ブランドのブログ・SNSの更新、メルマガ配信 、イベントの企画・進行などを男性3人に振り分けられている。部長は、原稿をチェックし彼らに指示を出しながら合間にテレビや雑誌の取材対応もそつなくこなすできる男。
そんな彼らのサポートをしながら、私は社内広報を担当している。新商品情報、新入社員情報、イベントスケジュール、社内報などで社員向けに情報の配信など
を受け持っち、毎日いっぱいいっぱいだ。
怒るぐらいなら御曹司という力で人員を増やしてほしい。
人手不足だというのに毎朝、彼よりも先に会社に到着し、エレベーター前で彼が来るのを待っていないと、外面のいい男は始業時間を過ぎても1階ロビーで女性達に囲まれ立ち往生して仕事にならないからだ。そして仕事が始まると、笑顔を貼り付けていた反動で不機嫌さを残したまま仕事をするものだから、被害者が続出する。
女だからという理由で、被害を最小限にしようと生け贄に選ばれたのが私だ。
まぁ、その時既に、彼に恋している自覚はあったが、憧れみたいなものだった。
それが、今ではどっぷりと恋愛感情を持っているのに、気づかれないように毎日平静を装う始末だ。