駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて
「ヒントがほしいか?」
「ヒントをお願いします!」
時間がないからか、コクコクと頷いて降参まで早かった。
「里依紗が今言ったセリフに彼女なら彼氏にする行為って言ったら?」
チッ、チッ、チッ、チッ、チーン。
ボッと真っ赤になるまで約5秒。
「したら会社に来て仕事してくれる?」
「あぁ、もちろん。場所によってはやる気度も上がるかもな」
口角を上げて意地悪く笑った俺を恨めしい目で見てから、目を閉じてキスをして来ようと顔を近づけくる。
おいおい、目を閉じてたら、どこにするか見えないだろう…
まったく、仕方ない奴…
俺から彼女の唇にキスをすると、される方になるとは思ってなかった彼女は、驚き目を開けた。
そして、何度か触れるだけのキスをして、名残惜し気に、一度ねっとりとキスをして彼女のふっくらとした下唇を食んで甘い痛みを残す。
里依紗は、痛みが疼く唇に手を添えてた後、何か思いついた悪い笑みを浮かべる。
「優也、また後でね」
里依紗からの不意打ちのキスは、最高の仕返しだった。
ボーとしながら、手を振り出て行く彼女に手を振り、部屋に1人になった途端、キスされた唇が熱く、顔も真っ赤になっていた。
「フッ、あはははは…最高」