駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて

笑いが止まらない私に不機嫌顔の優也。


普段から女の扱いに長けている優也が緊張してると思ったら…なんて言えない。


「あんなに怒っていたのに、もういいの?」


「怒っていた?」


「えぇ、いつものあなたらしくなかった。朝からみんなに八つ当たりしてたじゃない⁈」


「ピリピリしているのはいつもの事だろう。でも、誰にも八つ当たりしてない」


言い切るあたり、無自覚だったようだ。


今だに怒っていた理由はわからないけど、私のせいなら残りの時間は少しでもご機嫌よく仕事してもらわないとみんなに申し訳ない。


優也の頬に手を添え、見つめて少しだけつま先を伸ばして彼の唇にキスをした。


シーン静かな部屋に小さなリップ音が恥ずかしいぐらい響く。


「…笑ってごめんなさい。仲直りしましょう」


ニコリと笑った瞬間、私の後頭部と背中を強く抱きしめた彼は、唇を塞いできた。


私からしたらキスとは比べられない濃厚なキス。


初めから唇を割って入ってくる舌に、ねっとりと口内を巡りんし、舌を根元から絡めとりながら角度を変えて攻め立ててきて、離れたと思ったら呼吸もままならまま舌先をチロチロと絡められ欲情する。


もっと…
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