駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて

「ゆうやをずっと、好きだったの」


「だったの⁈」


一瞬出た不機嫌な声に慌てて言い直した。


「ううん、好き、今も好き、んっ…ハァッ、ん、んっ…」


鼻に抜ける吐息が出たのは、彼にキスで唇を塞がれ、唇を割って入ってくる舌に翻弄され出したからだった。


床についていた手に彼の手が重なり、甲を撫でる指先が指を絡めて手を繋いできた。


膝をついた彼は、もう一つの手で愛しいものを触るように頬を撫で、うなじを指先が滑り、ブラウスのボタンを一つ、二つと外してデコルテをなぞる指を感じながら、キスが深くなっていく。


キスに翻弄されボーっとしてきた頃、抱き上げられ慌てて彼の首をしがみついた。


「落とさないから安心しろ…ベッドに入ったら鳴き落とすけどな」


んっ…


意味することを理解した時には、ベッドの上で組み敷かれていた。


「えっと…鳴き落とすって聞こえたけど」


「そのままの意味だな…鳴かせて気を失うまで抱き潰す」


「うそでしょう?」


「本気…素の自分を出すことにしたから、今まで我慢してた分、好きだと言われて加減ができないから諦めて抱かれろ」


「言わせたくせに」
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