駆け引きは危険で甘く、そしてせつなくて

ふっ…後腐れのない関係に縛られて、素直になれないりいさも可愛かったけど、好きだと認めた素直なりいさを見たいんだよ。理性を吹き飛ばして乱れろ」


「……ッ」


言い終わったと同時に、首筋に強く吸いつく唇とブラウスの裾に侵入する手と、スカートをたくし上げストッキングの上からお尻を撫で回す手に、言い返す言葉を塞がれた。


一度抱いた体を知り尽くした彼の手は、私の体を開いていく。


「好きだ。りいさ愛してる」


朦朧とし薄れる意識の中で、彼は私を最後まで追い込みながら耳元で囁いてきた。


それに、コクコクと頷くしかできなくなるまで落とされ、もう解放してと涙ながらに訴えても彼の手は緩まない。


「りいさ、好きだ」


さっきも聞いたから…わかったから…


繋いでいた彼の手をぎゅっと握り、答えるとその手の指先一本一本にキスをしていく男。


そんな仕草にキュンとする。


本当に愛されているんだと実感が湧くのだ。


そして、その後は意識を最高潮まで挙げられ意識を手放していた。


「すき」


脱力し、瞼を閉じ意識を失ったりいさの頬を撫で、苦笑い。


「やりすぎたか⁈」


宣言通りにするつもりはなかったが、嬉しさに手加減できなかった。
< 88 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop