父の遺した日記
教室に入れば、やっぱり目立つ。
奈美ちゃんは小柄だから余計に私が大きく見えるのだろう。恥ずかしさでいっぱいだ。

「リリィが可愛いからすっごい見られるね。」
「そんなことない。背が高いから目立っちゃうだけ、、。」
「そんなことあるの!」

そんなことを言うのは奈美ちゃんくらいだよ。
奈美ちゃんと私は席が前後になった。私が星川で、奈美ちゃんが前川だから。
自己紹介の順番待ちはドキドキした。私たちの小学校は小さかったから知り合いはあまりいなかった。もうすぐ来る。どうしよう。緊張が、、、。

「仲村裕太です。裕太って気軽に話しかけてください!えぇーっと、バスケ部に入ろうかなって思ってます!これから3年間仲良くしような!」

これが、仲村君との出会い。仲村君は私より背が高くて、笑顔が眩しいくらいの人。はっきりと話す姿は何故だか目を引いた。奈美ちゃんを見れば、かっこいい〜と呟き彼を見つめていた。

「次、星川」

「リリィ呼ばれてるよ〜」
「え?」
「自己紹介。順番来たよ。」
「あっ、、」

え、どうしよう。何も考えてなかった。

「、、、あ、えっと、、星川梨里です。よろしくお願いします。」

私はさっと名前だけいって、礼をして席に着いた。
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