月が綺麗ですね
「嫌とかそう言うんじゃなくて、私たち始まったばかりだし、結婚とかそこまで考えてはいないし...」


言葉を濁しながら徹さんを上目づかいに見上げる。


「ならば俺たちの結婚は決定事項だから、憶えておくように」

「えっ?」

「そんなことより進藤、今朝は濃いめの日本茶を入れてくれ。それから飯塚に至急ここに来るように伝えろ。急ぎの仕事がある」


忙しそうにパソコンのキーボードを叩き始める。


くっ...。

私に反撃させないつもりだ。


「はい」

渋々頭を下げると、私は副社長室を後にした。
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