月が綺麗ですね
「待って、弘くん」
私は彼の腕を引っ張るけれど、弘くんはそれを完全に無視してむしろ振り払った。
「何か君は勘違いしているみたいだな。それに風花、お前は何でこの男といるんだ?」
落ち着いた声で徹さんが弘くんと私を睨む。
「じゃあ、それはなんなんだよっ!」
興奮した弘くんは徹さんの持つ紙袋を指さした。
「五十嵐へのプレゼントかっ!?」
珍しくいがちゃんが戸惑い焦っている。
「違うわよ菱倉くん。これはその...確かに指輪を買ったけど...」
「香奈っ!余計なことを言うなっ!!」
もうこの場はぐちゃぐちゃだ。人目だってある。私たちは通行人の興味本位の視線にさらされていた。
「風花答えろ!!どうしてお前は菱倉と一緒にいるんだっ!?」
「徹さんに言われる筋合いないです!あなただって、いがちゃんと宝飾店から出て来たじゃないですか!」
徹さんは声を詰まらせた。
「そ、それは...」
でも、そんなことはもうどうでも良かった。いがちゃんの言葉が私を激しく傷つけた。
ううん、心を切り裂かれた。
『指輪を買った』
そっか、そうなんだ。
私は彼の腕を引っ張るけれど、弘くんはそれを完全に無視してむしろ振り払った。
「何か君は勘違いしているみたいだな。それに風花、お前は何でこの男といるんだ?」
落ち着いた声で徹さんが弘くんと私を睨む。
「じゃあ、それはなんなんだよっ!」
興奮した弘くんは徹さんの持つ紙袋を指さした。
「五十嵐へのプレゼントかっ!?」
珍しくいがちゃんが戸惑い焦っている。
「違うわよ菱倉くん。これはその...確かに指輪を買ったけど...」
「香奈っ!余計なことを言うなっ!!」
もうこの場はぐちゃぐちゃだ。人目だってある。私たちは通行人の興味本位の視線にさらされていた。
「風花答えろ!!どうしてお前は菱倉と一緒にいるんだっ!?」
「徹さんに言われる筋合いないです!あなただって、いがちゃんと宝飾店から出て来たじゃないですか!」
徹さんは声を詰まらせた。
「そ、それは...」
でも、そんなことはもうどうでも良かった。いがちゃんの言葉が私を激しく傷つけた。
ううん、心を切り裂かれた。
『指輪を買った』
そっか、そうなんだ。