月が綺麗ですね
月曜日の朝。
私は真新しい黒のスーツに身を包み朝7時には出社していた。
朝が強いタイプならば全然平気だろうけれど、私は朝が弱い。朝食を食べそびれ、頭の半分も働いていない。
秘書は上司の1時間前の出社が義務づけられている。副社長の出社時間は通常8時。そんなわけで、私は瞼をこすりながら台拭きを持って副社長室へと入る。
工場は8時から稼働しているが、営業部門の出社時間は9時だ。9時出社に慣れていた私には気が遠くなるほど辛いことだった。
あ~ぁ、今頃まだ布団の中だったのに...。家を出る時にはまだ陽が昇っていないことに驚いた。通勤電車がわずかに空いていたことがせめてもの救いだ。
「残業は手当が出るけれど、早朝手当はないんだもの...」
あくびと一緒に文句を吐き出しながら、ブラインドを開けると朝日が眩しい。
早朝は都会でも空気の透明度が高いのだろうか?ビルの窓が朝日をキラキラと反射させているさまが新鮮だ。とは言え眠いことに変わりはない。
私は室内に誰もいないのをいいことに、もう一度あくびをした。
「ケチな会社で悪かったな」
「えっ!?」
「早朝のタダ働きが不満か?」
私は真新しい黒のスーツに身を包み朝7時には出社していた。
朝が強いタイプならば全然平気だろうけれど、私は朝が弱い。朝食を食べそびれ、頭の半分も働いていない。
秘書は上司の1時間前の出社が義務づけられている。副社長の出社時間は通常8時。そんなわけで、私は瞼をこすりながら台拭きを持って副社長室へと入る。
工場は8時から稼働しているが、営業部門の出社時間は9時だ。9時出社に慣れていた私には気が遠くなるほど辛いことだった。
あ~ぁ、今頃まだ布団の中だったのに...。家を出る時にはまだ陽が昇っていないことに驚いた。通勤電車がわずかに空いていたことがせめてもの救いだ。
「残業は手当が出るけれど、早朝手当はないんだもの...」
あくびと一緒に文句を吐き出しながら、ブラインドを開けると朝日が眩しい。
早朝は都会でも空気の透明度が高いのだろうか?ビルの窓が朝日をキラキラと反射させているさまが新鮮だ。とは言え眠いことに変わりはない。
私は室内に誰もいないのをいいことに、もう一度あくびをした。
「ケチな会社で悪かったな」
「えっ!?」
「早朝のタダ働きが不満か?」