いつかきっと、この想いが届くまで。

「おい、まだタクシー捕まらねぇのかよ」

美優を隆人さんに取られて、ブスくれた玲於が私の横に並ぶ。


何よ、美優に手を振ってもらえたんだから、いいじゃない。


玲於は私にはちっとも優しくないくせに。


「仕方ないでしょ。今日は休日で混んでんのよ」


もう一度左腕で光る腕時計で、時間を確認する。


10時55分。
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