シンさんは愛妻家
「僕が、支払います。部屋代。」

「ああそう、4万円よ。
ありがとう、あなた有沢さんの上司だったわよね。」

「え?ダメです!そんな事はしてもらえません」

「食品も買えないのに何を言ってる。
ネコのことも僕が責任を持って対処します。」

「じゃあ、よろしくね。」

と大家さんはお金を受け取り、機嫌よく部屋を出て行った。

彼女はポカンとした顔でぼんやりベッドに座っている。

「タビィ…と、お別れしないといけないんですね」

と彼女の目から涙がポロポロ出ている。


「捨て猫を飼うんなら準備がいるだろう?
ネコの予防接種とか…してるのか…」

彼女が首を横に降る。

そんなことだろうと思ったよ。

えーい、めんどくさい。

「熱が高いんだから、今すぐベッドに入って目をつぶりなさい」

と強い口調で言うと、彼女は布団を被って目を固く閉じた。

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