シンさんは愛妻家
「…私を…男の子だと…
…身体は女でも…
そう思っていましたか?」

へ?

彼女は気まずそうに僕を見つめている。

「え?
…違うの?」


「…あの…あのアパートに引っ越したばかりの時、ルリ子さんの部屋に挨拶に行ったら…
若い女の子がこんな所にいたらすぐに襲われるって…
痴漢や、空き巣が多いからって…
男って事にしておきなさいって…
男の子服を着て、胸も目立たないようにって…
いつもキャップを目深に被って…喋らないようにって…ルリ子さんの年下のボーイフレンドって周りに思われるようにって
喋る時は『僕』って言いなさいって…
ルリさんは元は男の人だけど
一緒にご飯食べたり部屋を行き来してくれて…面倒を見てくれて…
妹って思ってくれてて…」



は?

ルリさんは元は男で…オネエってやつ?

僕は言葉を失い、目が点になる…




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