シンさんは愛妻家
僕の気持ちを無理にこじ開けたくせに

イブキはちっともオトコに慣れていなくて、

呆気なく僕の腕の中で身体を震わせ、何度も達していく。

それでも

「僕は『先生』なんて名前じゃない」

と言うと

「シン…シンさん、あっ…」

とか、可愛い声で呼んでしがみついてくれるので、許しておくかな。

僕も我慢出来なくなって深く繋がると、

「シンさん…私は…恋人?」

と涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔で、切れ切れに聞くので

「まだ、心配?
僕はイブキがこんなに好きだよ」

と耳元で囁いて頬を撫でて腰を抱えてゆっくり動くと


「シンさんが…好き。好きです」

と繰り返し、呟いている。


激しく繋がり息を乱す。

切ない息の下でも、

何度も好きだと伝えようとする、精一杯の告白に、


僕は照れ臭くなって

唇でイブキの唇を激しく塞いで、

快楽の渦の中に一緒に落ちる事にした。

< 52 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop