シンさんは愛妻家
ルミ子さんのお店の裏に車を止め、

3階建のお店兼、自宅の裏口を開けると、


華やかな衣装に身を包んだ元、男のオネエさん達が店に出る準備をしていた。


いい男ねえ。とかやたらとボディタッチをうけながら、

はいはい。ダメよ、イブキの先生なんだから

とルミ子さんが注意してくれ、やっと住居部分の階段にたどり着く。


「イブキとタビィは3階にいるわ。勝手に連れて帰って」

と言ってくれ、

「ありがとう」と頭を下げると、

「2度と離さないで」

という言葉にはっきりと頷く。



僕にはイブキが必要だ。

あの笑顔がそばにいてくれるなら…

100歳まで生きてやる。

決して1人になんかしない。

そう決心して狭い階段を上がって行った。
< 72 / 85 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop