シンさんは愛妻家
薬をもらって基礎体温表を渡され手を繋いで家に帰る。

イブキは黙ったままでぼんやり僕に手を引かれている。


僕は途中で寿司屋によって夕飯に寿司の出前を頼み、ケーキ屋でプリンを買う。

今日は結婚記念日だ。

贅沢しても良いだろう。


イブキはたいそうがっかりしていたのかもしれないけど…

僕は妊娠しているとは思っていなかった。

だって、イブキと暮らし始めてから生理が来ている様子はなかったし、

悪阻があるようには見えなかった。

きっと生理不順になっているって…そう思ってた。

環境が大きき変わってイブキはとても緊張して生活していたんだろうって…

僕は避妊に気をつけていたしね…


僕は妊娠していないってわかっていて、イブキを妻にした。って事だ。

狡い大人だっただろうか…

僕はもう、イブキを失いたくないって

必ず、妻にしようって

そう思ってたんだ。

妊娠していてもいなくても、この先、子どもが出来ても、出来なくても…

僕はイブキと一緒に生きて行く。

そう決めてルミ子さんの店に迎えに行った。

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