愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~
柔らかな朝の日差しに照らされて、ぱちりと意識を浮上させると、見覚えのない天井が広がっていた。
あれ、おかしいな。
私の家の天井、こんなに白かったっけ?
はっきりしない意識のまま起き上がり、周りを見渡すと、そこには白に統一された部屋があった。
必要最低限のものしか置かれておらず、すぐ側にはクローゼットがあるだけだ。
私の部屋じゃない。知らない部屋だ。
ここはどこ?っていうか、私なんで服を着てないの!?布団を捲ると全身下着姿の自分がいる。
嘘、でしょう?
さあっと血の気が引いた。
昨日は一ノ瀬さんと一緒に呑んで店を出たら、一気にアルコールが回ってしまって、そこからの記憶がほとんどない。
ぐるぐると頭を巡らせて考えるけど、ちっとも思い出せなかった。
もしかして、私一ノ瀬さんに捨てられた?
酔っている私をめんどくさがって、私をその場に置いて帰ったとか?一ノ瀬さんならあり得そうだ。
それで気づけば誰かに……誘拐?
そこまで想像して顔が青くなった瞬間、寝室のドアがガチャと開いた。
「よう、起きたのか?」
「ヒッっ!」
咄嗟に布団を引っ張り体を隠す。ドアの前にいたのは部屋着姿の一ノ瀬さんだった。