愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~
あれ、これってめちゃくちゃ怒ってるやつだ。
「してもらったことは身体で返す、そう教わらなかったか?」
「ひっ……」
首筋から顎にかけてをするすると撫でられて、責め立てるように問われると、そんなこと教わらなかったです、とも言えず、決まり悪く目線を逸らす。
「クタクタになるまで身体動かしてもらおうか」
ギラリと光る眼差しが突き刺さるようにこっちを見ている。
私は彼の言う通り身体で恩を返す羽目になったのだったーー。
「い、一ノ瀬さん!この格好、恥ずかしいです」
私は今、膝より少しばかり長いだけの一ノ瀬さんのTシャツを着て、キッチンに立たされている。
「へぇ?いい眺めだな」
「せ、せめて下も貸して下さい」
「俺のもの貸したところでズレ落ちるだけだろ」
「それはそうですけど、何か私でもサイズが合いそうなものは無いんですか?恥ずかしいです」
身長180センチ以上あるであろう一ノ瀬さんのTシャツはそれなりに大きいものの、足元がスースーして落ちつかない。
「まあ、探せばあるかもなー」
「探して下さい」
「嫌だね。俺の眼の保養のために諦めろ」