愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~




そう考えていると、吉井くんは静かに言った。



「ねぇ、俺たちやり直さない?」

「えっ」

「正直偶然会った日から夏帆のことばっかり考えてた。食事も来てくれなかったらどうしようってソワソワしながら返事待ってたし……」

「嘘……」


彼がそんな風に思っていたなんて知らなかった。だって私はフラれた側だったし、離れてから1度も連絡を取ってなかったから。



「突然こんなこと言ってごめんな。次チャンスがあるか分からないから今言っておかなくちゃって思って」


吉井くんは耳まで真っ赤にしながら視線を私から逸らした。

本気で言ってるの?

確かに私は吉井くんの何かが不満で別れたわけじゃないけれど、もう何年も前の恋愛だ。
その恋愛をもう一度スタートさせるのってそんなに簡単なことなのかな。


「今すぐにとは言わないから考えてみてほしい」

「うん……」



彼がそう言ったところで、この場はお開きになった。

あっさり告白されて、戸惑う時間も無かった気がする。

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