愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~
それから2年が経った頃。
『朝比奈さんさ、どこから見てたの?』
俺は朝比奈に正体がバレることになる。
正直バレたのはマズかったにせよ、朝比奈で良かったと思った。騙しやすそうで単純。加えて俺に興味があると見た。上手く丸め込めるだろう。
じりじりと近づき、顎を持ち上げると少し強引に唇を奪う。
『……っ、ん!』
押し返す手を無視して、角度を変えながら舌で上顎をくすぐる。甘く、くぐもった声に満足しながらもう一度角度を変えた瞬間、ドンッと胸を強く押された。
『何、するんですか!』
呼吸を乱しながら、ぜいぜいと必死に息をする。
あ……いいな、その顔。
俺はとっさにそう思った。
しかし。
『お前、俺のこと好きだろ?チャンスだったのにな』
『な……!す、好きじゃないですよ!』
『チラチラこっち見てんのは知ってんだよ』
『ちが、』
俺を好きかということに関しては頑なに否定を続ける朝比奈。なんだ、違うのか?だったらあんなチラチラ見て来るのはなんなんだ。
ーーいや。
少し考えたがバカらしくなりやめた。そんなことはいい。口止めさえ出来れば問題ないのだから。
『これで絶対に言うなよ?』