愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~
そして翌日、見事に裏切ろうとしていた朝比奈を取っ捕まえて空き部屋に連れ込んだ。
『俺のこと言おうとしただろう』
『そ、そんなことは』
これだから女は面倒くさいんだ。あれだけのことで黙ってるなんて出来ないと駆け引きを持ち出し身体の関係を求めてくる。それで最後はじゃないとバラすから、と脅しだ。ああ、面倒くせぇ。
『足りなかったんなら、ちゃんと言えよ』
俺は朝比奈を引き寄せると唇を塞ぐようにキスを落とした。
『んん~~っ』
啄ばむような激しいキス。半ば強引に、少しイライラを含んだキスだったが、ぎゅっと目をつぶり必死に耐えているのがいじらしい。
『っふ、んぅ……』
気づけば苛立っていたことなど忘れて彼女と夢中になってキスをしていた。
『はあ……はぁっ』
唇を放すと、朝比奈は体の力の抜けたのか膝から崩れ落ちる。彼女の腰を支えつつ俺は意地悪に言った。
『つーか、この程度で腰抜かしててこの先もつのかよ』
『はぁ……っ、?何を言って』
『俺と体の関係が欲しかったんだろう?』
『はあ?』
朝比奈は驚いた顔をしながら必死に否定する。どうやら照れ隠しでもなさそうだ。