愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~


じゃあなんなんだよ。


『私は正直一ノ瀬さんみたいなタイプが一番嫌いです!だからキスされても身体の関係持ってもちっとも嬉しくないです!』


ふぅん?言ってくれんじゃん。
自分のことが好きだと思ってた女から嫌いだと言われると、それはそれで俺にも火がつく。


『お前をオトしてみたくなった。

俺が好きでどうしようもないって言わせてやるよ』


口止めさえ出来ればそれで良かったのに、どうしてそんなことを言ってしまったのか。後になって後悔したところでもう遅いのにーー。


それから朝比奈との距離は近くなっていった。食事に行ったり、ちょっかいをかけたり、アクシデントがあり朝比奈を家に泊めることになったり。初めはオトしてやろうと企んでいただけだったのに。


『それ、疲れないんですか?』

『なんというか仕事の時と性格違うじゃないですか。使い分けるの、疲れないのかなって』


誰も触れてこないところに朝比奈がすっと入り込んで来て、少し心が緩んだ。

本性を隠す俺に対して、なんでも顔に出る朝比奈。彼女といることが案外、心地いいと感じるようになっていた。



【今度食事でも行かない?】






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