愛縛占欲~冷徹エリートは溺愛を手加減しない~
そして俺は朝比奈を自分の家に連れ込んだ。
『あの、一ノ瀬さん。何かあったんですか?』
俺を心配する朝比奈が今は煩わしい。何にも伝えずに連れてきたのに、こんなにも簡単にここまでついて来る。朝比奈に好意があるように見えたあの男との食事はどこまで進んだのだろう。
溜まっていた気持ちはもうすでに限界を迎えていた。俺は朝比奈の手を掴むと、すぐ側にあるベッドに彼女を押し倒した。
『一ノ瀬さ、ん?』
不安気に視線を揺らす彼女。ずっと溜まっていた苛々の答えは全てこの言葉の中にあった。
『なぁ、キス……名残惜しいって思ったか?』
思ったら、朝比奈は俺を好きになってくれるのだろうか。ああもう。早く俺のこと好きになれよ。
そんな気持ちを込めてキスをする。
クッソ、余裕ねぇ。
『はやく思えよ』
笑える。なにが完璧だよ。
朝比奈を惚れさせると高を括っていたら、俺の方がまんまとハマってしまった。
変だと自分でも思う。朝比奈が他の男に抱かれると考えただけで、ここまで余裕がなくなるなんて。
それじゃあまるで俺の方が朝比奈のことを好きみたいじゃねぇか
いや"みたい"じゃねぇか。