優しいスパイス
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紫映と初めて話したのは、高校一年の入学式の日。



華のジェーケー。

彼氏も作って、楽しいこといっぱいの学校生活。


そんな夢を膨らませていたあたしは、式が終わって同じ中学出身の子達と喋りながらも、他中出身の子とも交友を広げるべく皆んなに話しかけていた。



同中ごとに固まっていたグループが、だんだん広がってクラス全体をまとめていく。



そんな中で、ふと、目に入った。



教室の窓際の席で、一人窓の外を眺める女の子。



肌の色が透けてしまいそうなほど白くて儚く、それでいてどこか凛としている。



その子に目を奪われていると、


「あっ。あの子は雪瀬さんだよ。おーい雪瀬さーん、こっち来てー」



彼女と同中らしい女の子がそう言って彼女を呼んだ。



「はじめまして! あたしは阿木香恋。北中出身だよ、よろしく!」


「あ、私は雪瀬紫映。東中出身です」



見た目通り大人しそうな子だなぁなんて思ったのが、第一印象だった。
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