拘束時間 〜 追憶の絆 〜
死んでも死にきれない。
俺は、我に帰り彼女を探し回った。
心当たりがある場所全て。ない場所も......。
だけど、時間だけが無情にも過ぎていき、あっという間に次の日の朝が来た。
自分を”屍”と卑下しながらも、俺はなんとか会社ヘ行った。
藁をもつかむ思いで。
もしかして、会社で彼女と会えるかもしれない.......。
しかし、俺の嫌な予感は的中した。いつもより早めに会社へ行き、中央入り口で彼女の姿を探したが会うことは叶わなかった。
悶々としながらも、社会人としての自分に鞭を打って俺は午前の仕事をこなした。
そして、昼休みに彼女が在籍する二課へ赴いた。
「お疲れ様。小山さん、今日沙綾は休み?」
俺は恥を捨てて、沙綾の同期で仲の良い彼女に尋ねた。
「戸川君......。えっと......、沙綾しばらく休むって。」
彼女の反応を見て俺は、明らかに沙綾の消息を知っていると思った。
「今、沙綾がどこいるか教えてくれないかな。」
「あの子、なんだかんだ言って戸川君が迎えに来るの絶対待ってるよ。......沙綾、お墓参りに行くって言ってた」
それだけ聞ければ十分だ。彼女は口止めをされているようで詳しくは教えてくれなかったが、お墓参りと聞いて俺には思い当たる場所があった。
沙綾はきっと優斗に会いに行ったんだ ーー。
そう確信した時、スマホの着信音が鳴った。
「はい、戸川です。」
「怜斗、じいちゃんが亡くなった......」
俺は、我に帰り彼女を探し回った。
心当たりがある場所全て。ない場所も......。
だけど、時間だけが無情にも過ぎていき、あっという間に次の日の朝が来た。
自分を”屍”と卑下しながらも、俺はなんとか会社ヘ行った。
藁をもつかむ思いで。
もしかして、会社で彼女と会えるかもしれない.......。
しかし、俺の嫌な予感は的中した。いつもより早めに会社へ行き、中央入り口で彼女の姿を探したが会うことは叶わなかった。
悶々としながらも、社会人としての自分に鞭を打って俺は午前の仕事をこなした。
そして、昼休みに彼女が在籍する二課へ赴いた。
「お疲れ様。小山さん、今日沙綾は休み?」
俺は恥を捨てて、沙綾の同期で仲の良い彼女に尋ねた。
「戸川君......。えっと......、沙綾しばらく休むって。」
彼女の反応を見て俺は、明らかに沙綾の消息を知っていると思った。
「今、沙綾がどこいるか教えてくれないかな。」
「あの子、なんだかんだ言って戸川君が迎えに来るの絶対待ってるよ。......沙綾、お墓参りに行くって言ってた」
それだけ聞ければ十分だ。彼女は口止めをされているようで詳しくは教えてくれなかったが、お墓参りと聞いて俺には思い当たる場所があった。
沙綾はきっと優斗に会いに行ったんだ ーー。
そう確信した時、スマホの着信音が鳴った。
「はい、戸川です。」
「怜斗、じいちゃんが亡くなった......」