拘束時間 〜 追憶の絆 〜
GW中、私は考えていた。
優斗君と、藤川社長の繋がりを。
しかし。現実的な、様々な憶測を巡らせながらも結局もっともらしい答えは見つからず。
解決しないままに、GWは終わった。
約一週間ぶりの会社 ーー。
そして、一週間ぶりに彼と会う......。
彼は、GW中にもかかわらず。急遽、海外出張を命じられてカナダに飛んでいた。
本当に。戸川君は、かなり期待されているんだな。
ーー 研修中の新入社員が海外出張を命じられるなんて、異例中の異例。
朝7時半、私がいつもの時間に会社に着くと、それよりも早く彼は会社に来ていた。
「おはよ......。出張お疲れ様、おかえりなさい」
「おはよう。ただいま.......」
誰もいない、就業前の課内に二人きり。
久しぶりということも相まって、なんだかとても恥ずかしい......というか、
ドキドキする ーー。
私の胸は彼に会うと勝手に鳴くようになってしまったみたい。
「どうしたの?沙綾ちゃん。顔が真っ赤だよ?......また具合が悪いの?」
そう言って、彼は私の額に手のひらを当てた。
でも、彼は心配しているというより、むしろ私の気持ちを分かっているようだった。
そして、私は。彼が私に触れたくて額に手のひらを当てたということが分かった。
額に密着した、大きな手の長い指先一本一本から彼の体温が”じんわり”と私の肌へ伝わってきた......。
「熱は無いみたいだね。寒気は?寒いなら......俺が、温めてあげる。」
額に触れた後。さらに、こんなことを言われて私はどう応えていいか困惑した。
二人きりの空間に響く彼の言葉は、とてもからかっているようには聞こえなかった.....。
「温めるって......!?」
「沙綾ちゃんを抱きしめる」
彼は、そう言って。誘惑するような眼差しで私を見つめてきた......。
しかし、その眼差しは矛盾を孕んでいて。誘惑なのに不埒なものではなく、むしろとても真剣な瞳をしていた。
”君が好きだ。”そう、言われているような気がした ーー。
私は、この時。海でのことを思い出していた。
あの時、雷鳴が響かなければ。きっと私達は、
ーー キスしてた......。
優斗君と、藤川社長の繋がりを。
しかし。現実的な、様々な憶測を巡らせながらも結局もっともらしい答えは見つからず。
解決しないままに、GWは終わった。
約一週間ぶりの会社 ーー。
そして、一週間ぶりに彼と会う......。
彼は、GW中にもかかわらず。急遽、海外出張を命じられてカナダに飛んでいた。
本当に。戸川君は、かなり期待されているんだな。
ーー 研修中の新入社員が海外出張を命じられるなんて、異例中の異例。
朝7時半、私がいつもの時間に会社に着くと、それよりも早く彼は会社に来ていた。
「おはよ......。出張お疲れ様、おかえりなさい」
「おはよう。ただいま.......」
誰もいない、就業前の課内に二人きり。
久しぶりということも相まって、なんだかとても恥ずかしい......というか、
ドキドキする ーー。
私の胸は彼に会うと勝手に鳴くようになってしまったみたい。
「どうしたの?沙綾ちゃん。顔が真っ赤だよ?......また具合が悪いの?」
そう言って、彼は私の額に手のひらを当てた。
でも、彼は心配しているというより、むしろ私の気持ちを分かっているようだった。
そして、私は。彼が私に触れたくて額に手のひらを当てたということが分かった。
額に密着した、大きな手の長い指先一本一本から彼の体温が”じんわり”と私の肌へ伝わってきた......。
「熱は無いみたいだね。寒気は?寒いなら......俺が、温めてあげる。」
額に触れた後。さらに、こんなことを言われて私はどう応えていいか困惑した。
二人きりの空間に響く彼の言葉は、とてもからかっているようには聞こえなかった.....。
「温めるって......!?」
「沙綾ちゃんを抱きしめる」
彼は、そう言って。誘惑するような眼差しで私を見つめてきた......。
しかし、その眼差しは矛盾を孕んでいて。誘惑なのに不埒なものではなく、むしろとても真剣な瞳をしていた。
”君が好きだ。”そう、言われているような気がした ーー。
私は、この時。海でのことを思い出していた。
あの時、雷鳴が響かなければ。きっと私達は、
ーー キスしてた......。