真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
広務さんは、涙袋を膨らませた嬉しそうな目をしながら、バスルームの扉に手をかけた。

それから彼は難なくバスルームの扉を開けて、煌々とした灯りの下、望み通り私の裸と対面した。

「キャッ!」

彼の行動に一呼吸遅れて、私は胸を覆いながら後ろを向く。それでも、お尻は露わになったまま......。

「無防備な格好で恥ずかしがっている優花、最高に、かわいい。このまま、ここで食べてしまいたいのは山々だけど......。でも、俺はそんなに意地悪じゃないからね」

彼は私の一糸纏わぬ姿を目の前に、意外にも、あっけらかんとした態度を見せながら、手に持っていた大きなバスタオルを横に広げた。

私は身体を後ろに向けて彼に、お尻を見せた体勢で顔だけクルッと振り返り、少し困惑した表情で彼を見据えた。

私の困惑した表情を見た広務さんは、なぜか笑顔で応えた。

私の困った顔を見て、彼は一体何が、おかしいんだろう......。

意地悪じゃないとか言っておきながら、この状況で笑顔なんて......なんかSっぽい。

彼の意味深な笑顔に、私は一抹の疑念が過ぎった。その時だった。

広務さんは広げた大きなバスタオルを私の背中に、ふわっと掛けて、それからクルクルと私の身体をバスタオルで包み、たくさんの雫が滴る湯上りの素肌を優しく保護してくれた。

「意地悪どころか、俺むしろ、こうして優花を守りたいって気持ちが、すごく強い......」

< 112 / 315 >

この作品をシェア

pagetop