真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
今夜、紐解かれる神聖な儀式は、私達の絆を揺るぎないものにして永遠を約束する愛情を確かなものにする。
だけど。この蜂蜜に似た色と甘さの聖域で、高鳴る胸に杭を打ち込むように、それまで眠っていた、もう一人の私が目を醒ました。
この身体を広務さんと結ぶよりも前に繋いだ、暗雲立ち込める裏切りの夜のことーー。
広務さんは何も知らない。
私は広務さん以外の男に抱かれた罪を、今夜広務さんに抱かれることによって払拭しようとしているのだろうか?
私の不実な肌に付着した他の男の手垢を、広務さんの誠実な唇が拭うーー。
そんなことは、決してあってはならない......!
「広務さん......」
「うん? なに......?」
広務さんはベッドサイドライトを受けて蜂蜜色に甘く染まった端正な瞳を潤ませながら、私を疑うこともなく、むしろこの上なく愛しそうな声と眼差しを私に返してくれた。
今夜の彼の包み込むような愛情に、刃を突き立てて真実を明かすことは、砕けたガラスの破片で心を切り裂くように酷いこと。
彼のため。
......ううん、それは嘘。
私は胸の中に渦巻いたドロドロとした黒い感情を脳裏の奥に沈ませながら、代わりに矛盾するような、今目の前にいる彼への愛欲と愛着を心の端と縁に目一杯張り巡らせた。そして、私は彼の身体に手を伸ばした。
だけど。この蜂蜜に似た色と甘さの聖域で、高鳴る胸に杭を打ち込むように、それまで眠っていた、もう一人の私が目を醒ました。
この身体を広務さんと結ぶよりも前に繋いだ、暗雲立ち込める裏切りの夜のことーー。
広務さんは何も知らない。
私は広務さん以外の男に抱かれた罪を、今夜広務さんに抱かれることによって払拭しようとしているのだろうか?
私の不実な肌に付着した他の男の手垢を、広務さんの誠実な唇が拭うーー。
そんなことは、決してあってはならない......!
「広務さん......」
「うん? なに......?」
広務さんはベッドサイドライトを受けて蜂蜜色に甘く染まった端正な瞳を潤ませながら、私を疑うこともなく、むしろこの上なく愛しそうな声と眼差しを私に返してくれた。
今夜の彼の包み込むような愛情に、刃を突き立てて真実を明かすことは、砕けたガラスの破片で心を切り裂くように酷いこと。
彼のため。
......ううん、それは嘘。
私は胸の中に渦巻いたドロドロとした黒い感情を脳裏の奥に沈ませながら、代わりに矛盾するような、今目の前にいる彼への愛欲と愛着を心の端と縁に目一杯張り巡らせた。そして、私は彼の身体に手を伸ばした。