真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
”私は広務さんを愛している”そう思った。だから、聞いてみたくなった。

本当は、私から彼に”愛している”と告げる方が正しいと思った。

だけど、あえて彼に答えを求めるのは、どうしてだろう?

「愛してるよ。優花......」

広務さんは私の問いかけに一瞬の迷いも見せずに答えると、それまで唇に降らせていたキスを今度は首筋にしながら、利き手で私の身体を覆う取れかかったタオルを静かに取り去った。

バスルームに続き再び彼によって、今度はベッドの上で、あられもない姿にさせられた私。すでに羞恥心などは凌駕している。

だけど、私だけ裸になるなんて、なんだか寒々しい。二人で一つに溶け合うのなら、同じ姿で結ばれたい。

私は彼の指の腹の感覚を直接素肌に感じながら、時間が経つにつれて熱を帯びていく煩悩の片隅で少しだけ”いじましい”気持ちになった。

「......俺も裸になるよ」

身体を結ぶのなら、それよりも先に心を結ぶべきだということを、やはり彼は知っていた。

広務さんは、あられもない姿の私から目をそらさずにベッドの上で上半身を起き上がらせた。両膝を折り曲げて足と足の間に裸の私を挟んだ体勢の彼は下目遣いに私を見つめながら誘惑するような表情を見せた。

それから彼は両腕をクロスさせて、着ている黒いTシャツの裾を掴むと実に勢い良く脱ぎ去った。

私の目の前に曝け出された彼の腹筋と胸板は、程よく筋肉が付き引き締まっていて、ベッドサイドライトの明かりによって影が作り出されて触れるまでもなく、その硬くて弾力のある質感を私の視覚に伝えてきた。

早く来てーー。

魅惑的な彼の肢体を目の前に、欲求が高まった私は身体の中を絶えず微弱な電流が流れているようなムズムズとした感覚に襲われた。それをなだめるかのように、広務さんは私の素肌をさすりながら片手で自分の下半身に手を掛けて、履いていたルームパンツを脱ぎ捨てた。

そして、彼は裸になった。

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