真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
広務さんは、その大きくて頼もしい手のひらの中に、明らかに自分よりも小さくて頼りなく見える柔らかいものを包み込みながら、心底安堵したような柔和な様子を見せた。

かわいいーー。

そんな風に思っていいのかな?

自分よりも年上で、背が高くて、優しくて、大人で......。普段は私が彼に甘えてばかりだけど、今は彼が私の頼りない胸に安らぎを感じて拠り所にしている。

愛おしい。

「ずっと、ここで休んでていいよ......」

私は自分の身体の上に折り重なった彼の男性的な肉体の輪郭をぼんやりと認識しながら、幼い子を慈しむような手つきで、そっと彼の頭を撫でた。

「ありがとう。優花は、やさしいね。じゃあ......そんな、やさしい優花へ俺から、きちんとお礼をさせて......」

これから彼と私がする事。それは言うまでもなく”セックス”

この簡潔な表現を行為で示すとすると、生殖行動そのものよりも、ずっとずっと精神的な繋がりに重きを置く事になると思う。

広務さんの”お礼”の意味とは、きっと、私の心を抱くセックスの事。

「......お礼してくれるの?......どんな?」

彼の真意を理解した私は、期待と甘ったるい情感に支配されながら、あられもない姿で、ねだるように言葉を紡いだ。

「まずは、こうする......」

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