真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~

「交際成立。そして......、"Kiss"」

彼からLINEが来たことに私はすごく嬉しいのに、はしゃぐ気にはならなかった。

広務さんが私へ送ってくれたメッセージは胸の奥に”ほんわか”と浸透して、私は真夏の熱とは違う種類の温かさを感じた。

他の人には説明のしようがない、ひろむさんしか与えられない私しか感じられない特別な温かさだ。

彼のくれた温かさが、私の気持ちを穏やかにした。

優しい気持ちで電車の窓の外を眺めてみれば、いつもの景色が180度違って見えた。

ゴミゴミとして雑然と感じていた都会の街並みは、高い建物や、カラフルな看板がたくさん並んでいて遊園地にも見える。

ただ働いて生活をするために居た、この広い都会の街に居る意味が広務さんと出会って見い出せた。

私は今日、初めてこの街に感謝した。

広務さんと私を出会わせてくれた、この街に......。


彼からのLINEで最も嬉しかったことは、呼び名が日野さんから"優花さん"に変わっていたこと。

彼が積極的に距離を縮めようとしてくれている。

私も心の中で”広務さん”と呼びかけている。

彼と私は互いに歩み寄っている。

これはまさしく、恋が始まる予感ーー。


私は早速、彼へ返信するメッセージを考える。

もう前みたいに、放置なんかしない。

ちゃんとした返事をしたくて、広務さんが送ってくれたLINEをもう一度読み返した。すると、この上なく私の胸をキュンと鳴かせる事実に気がついた。

送信時間 7時15分ーー。

私が起き抜けにスマホをチェックした時間だ。

そうか......。広務さんのLINEは遅れて通知されたんだ。

彼は、朝一番に私へLINEを送ってくれていた。

広務さんからのLINEで温まった私の胸からは彼への愛しさと安心感が生まれて、これからは悪戯に不安になったりせずに、ちゃんと彼を信頼しようと思ったーー。

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