真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
ジークから耳を塞ぎたくなるような話を聞いた私は色々と思い悩んでしまい、昨夜は、なかなか寝付けなかった。
寝不足とストレスのせいか頭が痛い......。
それでも会社を休むわけにはいない。たかが、お茶汲みOLの私でも、最低限の社会人としてのモラルは備えているつもりだ。
私は、やっとの思いでベッドから上半身を起こすと、再び寝床に引き戻されてしまいそうな弱い心に鞭を打ち、しぶしぶベッドから起き上がって、顔を洗うためにバスルームへと向かった。
目を閉じて顔を洗っていると真っ暗な瞼の裏に、まざまざと映し出される昨日私が目にした、にわかには信じ難い悲しい光景。
それをジークは十分に、あり得る場面だと言った。
ジークが知っている、成瀬 広務という男性。彼は......、
「オレと成瀬は、元は同じ会社の同僚で、共に国際事業部に籍を置くライバル同士だった。」
そうだったんだ......。だから、広務さんを紹介した時、ジークは初対面の相手にもかかわらず挨拶をしなかったんだ。それどころか、しきりに広務さんへ訝しげな眼差しを向けて彼を威嚇していた。
ジークが広務さんを威嚇するのには、ライバル以上の理由があった。
「会社のエリート部署、国際事業部の若手社員だったオレと成瀬は、当時、上層部の期待を一身に背負って毎日仕事に追われてた。就業前の早朝出勤と残業は当たり前だったし、それに加えてオレは慣れない日本での生活も相俟って、心に余裕をなくしてた。だから、恋愛する気になんて全くなれなかったよ。でも、アイツは違った。社内の色々な女と付き合ってた。しかも同時進行で......。その中の一人に、あろうことか専務のお嬢さんがいて、成瀬の素行を知った専務の怒りを買い、結果的にアイツは会社を追われることになった」
寝不足とストレスのせいか頭が痛い......。
それでも会社を休むわけにはいない。たかが、お茶汲みOLの私でも、最低限の社会人としてのモラルは備えているつもりだ。
私は、やっとの思いでベッドから上半身を起こすと、再び寝床に引き戻されてしまいそうな弱い心に鞭を打ち、しぶしぶベッドから起き上がって、顔を洗うためにバスルームへと向かった。
目を閉じて顔を洗っていると真っ暗な瞼の裏に、まざまざと映し出される昨日私が目にした、にわかには信じ難い悲しい光景。
それをジークは十分に、あり得る場面だと言った。
ジークが知っている、成瀬 広務という男性。彼は......、
「オレと成瀬は、元は同じ会社の同僚で、共に国際事業部に籍を置くライバル同士だった。」
そうだったんだ......。だから、広務さんを紹介した時、ジークは初対面の相手にもかかわらず挨拶をしなかったんだ。それどころか、しきりに広務さんへ訝しげな眼差しを向けて彼を威嚇していた。
ジークが広務さんを威嚇するのには、ライバル以上の理由があった。
「会社のエリート部署、国際事業部の若手社員だったオレと成瀬は、当時、上層部の期待を一身に背負って毎日仕事に追われてた。就業前の早朝出勤と残業は当たり前だったし、それに加えてオレは慣れない日本での生活も相俟って、心に余裕をなくしてた。だから、恋愛する気になんて全くなれなかったよ。でも、アイツは違った。社内の色々な女と付き合ってた。しかも同時進行で......。その中の一人に、あろうことか専務のお嬢さんがいて、成瀬の素行を知った専務の怒りを買い、結果的にアイツは会社を追われることになった」