真心の愛を君に......。 〜 運命の恋は結婚相談所で ~
「広務とオレは同じ早稲戸の政経学部、経済学科の出身で、サークルも一緒だった。だから、大学時代は、ほとんど毎日、広務に会ってたよ。周りの奴らが講義サボって遊んでる最中に、オレ達はそいつらの倍、講義に出て、せっせとレポートを作成してたっていう、超味気無い学生生活を送ってた。おかげで、教授の御覚えがめでたかったわけだけど......。広務の有能さが徹底的に発揮されたのが卒論だったな。今でも、はっきり覚えてるよ。”躍進するアジア諸国の需要と、それに共ない発生する貿易摩擦の回避案”」
ーー広務さんは高学歴者の中でも、一段と優秀なんだ。
彼に学生時代の事を尋ねても、謙遜するばかりで詳しいことは、あまり話してくれなかった。
私は結婚相談所の箇条書きのプロフィールでしか、それまで知る事が出来なかった、大学時代の広務さんの話を食い入るように聞いた。
「それで、教授を感服させた広務の卒論は、学術雑誌に掲載されて、今でも学生達に学びを説いてるってわけ」
私がいる手前なのか、横澤さんは広務さんの学生時代の恋愛を語らない。
味気無い学生生活などと言いながら、さっき確かに”お前はモテた”って、言った。
そう言いながら、一切、恋愛話に触れないことに、なんだか、とてつもないタブーが潜んでいるような気がする。
ジークの話のように、私が知ったら、とても傷つくようなことが......。
ーー広務さんは高学歴者の中でも、一段と優秀なんだ。
彼に学生時代の事を尋ねても、謙遜するばかりで詳しいことは、あまり話してくれなかった。
私は結婚相談所の箇条書きのプロフィールでしか、それまで知る事が出来なかった、大学時代の広務さんの話を食い入るように聞いた。
「それで、教授を感服させた広務の卒論は、学術雑誌に掲載されて、今でも学生達に学びを説いてるってわけ」
私がいる手前なのか、横澤さんは広務さんの学生時代の恋愛を語らない。
味気無い学生生活などと言いながら、さっき確かに”お前はモテた”って、言った。
そう言いながら、一切、恋愛話に触れないことに、なんだか、とてつもないタブーが潜んでいるような気がする。
ジークの話のように、私が知ったら、とても傷つくようなことが......。